2023.02.17

身近雑記

第148回 乳酸菌生産物質と共棲培養

最近、折に触れて腸内環境が人の健康維持に大切だという事が報道されております。

それに伴い、腸内細菌のひとつである乳酸菌の働きについても、免疫、睡眠、ストレスに関与しているマス広告が目立つようになりました。

 

そこで、人の健康に関与している乳酸菌生産物質についてもそのメカニズムをわかりやすく説明してまいりたいと考えた次第であります。

 

今回は乳酸菌生産物質の製造の要となる「共棲培養」についてご説明します。

 

共棲培養は乳酸菌生産物質を生産する工程で大変重要な技法であります。

16種35株の乳酸菌・ビフィズス菌が120時間豆乳培地で発酵してつくり出した代謝産物が乳酸菌生産物質になりますが、発酵するための元菌は2~5種類の菌で共棲状態になっているチームを25チーム以上組み合わせて使用します。

そして最終大型発酵タンク内にてチーム同士が相性良く発酵して多くの代謝物を生産するというメカニズムです。

その元菌群を集大成したものが16種35株で成り立っております。

 

1種類1株ではなく1種類数株状態となっており、16種類16株になりません。

これが共棲培養の所以であります。

 

共棲状態にあるという事は、多種類の菌を同じ培養基にて、何度くり返して発酵させても菌のバランスや活性に変化なく安定している状態にある事です。

簡単には出来ません。

年月をかけて菌と相談しながら進める作業となります。

 

人相・手相・菌相と申しますが、私たちが生まれてから変化しないもののひとつにある腸内細菌もおそらくチームを組んで、多くのチームが共棲状態で腸に住み着いていると想像されます。

毎日共棲培養をして、健康を守るための代謝物をつくり出してくれております。

ですからこの代謝物を体外の工場にてつくるには、共棲培養が必須となる事がお判りいただけると思います。

 

「共棲培養」の大切さがお分かりいただけたでしょうか。

 

次回は16種35株を確定するに至った、日本食品分析センターでの「同定」についてご説明いたします。

 

 




近年は健康食品市場だけでなく、一般的にも「健康には乳酸菌」という概念が定着しつつあります。

しかし、人の健康に役立つのは乳酸菌そのものだけではなく、その代謝物である「乳酸菌生産物質」がより重要です。

この本には、16種35株のビフィズス菌を含む乳酸菌の共棲培養技術のノウハウや、「乳酸菌生産物質」の商品化の知識など、私の視点から見た「乳酸菌生産物質」に関する情報が余すところなく盛り込まれております。

ぜひ第1巻に続き、第2巻もお手元で開いていただければ幸いです。

 

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